交通事故における逸失利益
1 逸失利益とは
交通事故における逸失利益とは、交通事故によるケガについて後遺障害が認められた場合に、将来の仕事への影響を損害として算定したものになります。
逸失利益は、認定された後遺障害等級、ケガの症状、仕事への影響等をふまえて算定することが一般的です。
2 逸失利益の計算方法
逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数で算定します。
基礎収入とは、逸失利益の計算の基礎となる収入で、事故前年の収入を基準にすることが多いです。
労働能力喪失率は、後遺障害による労働能力への影響度合を割合で表したもので、後遺障害等級14級の場合は5%、12級の場合は14%、9級の場合は35%、1級の場合は100%が基準とされています。
労働能力喪失期間は、仕事への影響が続く期間で、通常は症状固定日から67歳までの期間が基準とされますが、むちうち症状の場合は5年程度が目安とされています。
なお、労働能力喪失率や労働能力喪失期間は、ケガの状況、仕事の内容等によって修正されることがあります。
例えば、年収500万円の45歳の会社員が、後遺障害等級12級の傷害を負った場合の逸失利益は、500万円×14%×15.9369(労働能力喪失期間22年に対するライプニッツ係数)=1115万5830円となります。
3 後遺障害が認定された場合には弁護士に相談を
交通事故のケガについて後遺障害が認定された場合、相手方の任意保険会社が提示する逸失利益が低額であることが少なくありません。
そのため、交通事故で後遺障害が認定された場合には、不利益を避けるためにも、示談をする前に弁護士に相談することをお勧めします。